備えよ常に ~最終回 大切なものは目に見えないの巻~
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「防災は、環境(問題)を考える事に似ていると言えるのかも知れません。」(名古屋大学大学院環境学研究科 田中重好教授)

防災と環境。
近年、我が国において社会全体が取り組む大きな課題である。これらの共通点は、どこまで自分自身の問題として、それを考える事が出来るのかという点だ。言い換えれば、それはたぶん“じぶんゴト化”出来るか否か。

災害が起きたらどうなるのか、環境破壊が続けばどうなるのか、いずれも“想像力イマジネーション)”をどこまで発揮することが出来るかが、生死を分ける最も重要なポイントになると言えるのかもしれない。どちらも、いま目の前に見えているものではないのだからこそ想像力が求められる。
そう言えば、「目に見えないものほど大切なものが多いんだよ」とあの“星の王子さま(サン・テグジュぺリ)”も言っている。

昨年来、「災害に強い暮らし・地域・国のあり方」について取り組んでいる。
特に先週視察に赴いた自衛隊富士総合火力演習では、様々なことを考えさせられる機会を得た。

以下は、吉田茂首相の防衛大学校第一回卒業式(昭和32年)における訓示である。

「君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。

きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。

御苦労だと思う。

しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。

言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。」
(引用元:吉田茂 昭和32年2月、防衛大学第1回卒業式にて)

やはり、大切なことほど、大切なものほど、なかなか目には見えてこないものなのだ。
by mutsumi_teranishi | 2012-08-27 22:43
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