被災地の瓦礫総量は約2250万t。そのうちの400万tが政府が広域処理対象として各都道府県へ受け入れ要請されている。しかしながら、受け入れるにはまず安心で安全な瓦礫、つまり放射能汚染されていない(国際的にも安全とされる数値)が大前提となるだろう。一方で、野田武則釜石市市長に限らず、被災地の首長は瓦礫処理にお手上げの状態だ。大村秀章愛知県知事は100万tの受け入れを表明。県内3ヶ所の最終処分場候補地について調査を始める。被災地を救いたい気持ちは日本国民ならば誰しも同じだ。今必要なことは、“声なき声”と“声ある声”をしっかりと受け止めて、全県民的な、慎重かつ冷静な議論を重ねながら前進することである。


釜石市からレンタカーを借りて約2時間、大船渡市へ向かった。昨年震災発生から約1ヵ月半後に訪れて以来、1年振りに足を踏み入れた市街地は、すでにほとんどの瓦礫が処理場に運ばれ、さら地になっていた。大船渡港は地盤沈下しており、復興までの道のりはまだまだ遠いとしか言いようがない。(写真上)

1年前、友人たちと一緒にかしわ餅や子ども用衣類、支援物資を届けに訪れた「リアスホール」は、当時の避難所としての役割を終え、大船渡市民の憩いの場としての役割を必死に取り戻そうとしているかのようにも見えた。
震災から1年、政治に出来ることとは、たったこれだけだったのだろうか。