地下鉄東山線の本陣駅、
サークルKに缶コーヒーを買いに立ち寄った。
レジを任されていたのは、二人の女の子。緊張した雰囲気でおどおどと慣れない手つき、すかさず店長さんが助け舟を出した。「バイトかな?」と、ふと名札を見ると「
職業体験中。豊正中学校 名前○○○。」と書いてあった。つい「僕も、豊正中学の卒業生だよ。」と言って声をかけると「先輩ですね!」と笑顔が返ってきた。お釣りを受け取りながら小声で「がんばれ。」と言って店を出た。奥の方でニコニコしながらそんなやり取りを見ている店長さんの姿が見えた。
最近、よくメディアでも取り上げられている“
キャリア教育”のひとコマである。
“キャリア教育”と言うと、なにやらエリート教育のように聞こえがちだが、実は“
働くことの意味と意義”、“
仕事の喜びと厳しさ”を通じて学校教育の中で「
社会を学ぶ」機会として始まっている試みである。キャリア教育は、学校と地域・企業とをつなぐ効果もあると言われているが、大切なのはそれらをきちんとコーディネートできる“
人財(マンパワー)”の育成だ。
しかし“キャリア教育”の本当の意義は、子どもたちに、僕たち大人が“
大人らしい姿を見せる”ことにあるのではないか。キャリア教育の効果は、そうした大人への気づきも促すものだと思う。子どもたちは、われわれ大人の姿をちゃんと見ている。
襟を正そう、大人らしく。