目には見えない大切なもの Ⅳ
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5月6日(金)、朝7時40分。
「昨日、かしわ餅を差し入れして届けていただいた‘字大立’で家屋の清掃を手伝ってください。」消防士の千葉さんから携帯に電話が入った。伺った御宅は、緩やかに大船渡港を見下ろす‘里山’にあった。和室の壁にかかっていた時計の針は3時24分で止まっていた。家屋のすぐ横には驚くことに大きな漁船と小型ボートが畑と思われる場所に取り残されていた。一階が完全に津波で浸水し破壊されてしまっていた。男4人で、約4時間。大船渡小学校の子どもたちにTシャツを届けるまでのわずかな時間しか手伝うことができなかったことが申し訳ない。
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こちらのお宅は5人家族全員(おじいさん、おばあさん、御夫妻、娘さん)が無事だったと伺い、心が落ち着いた。帰り際に、御家族の方々から深々とお辞儀をされ、おばあさんから涙ながらにお礼を言われ、本当に心が苦しく辛くなった。名古屋から来たボランティアだとお伝えしたら、偶然にも30年以上もの間、毎年2月に名古屋の百貨店(栄の丸栄)へ通い、仕事をされている岩手県の名工、代々の硯匠の御家系なのだと聞かされ、人の縁の不思議をあらためて感じた。車が見えなくなるまで手を振ってくださっていた御家族の姿を思い出すと胸が締め付けられる。「みなさん、くれぐれも御身体を大事にしてください。」それ以外に言葉が見つからない。こちらの集落では、避難所に入所せず、隣り近所お互いが朝夕の会議を開き、励まし合って炊き出しなどで支え合っている。「仮設ができるまで、あと2週間の辛抱だと思って頑張ってます。」と世話役の女性がおっしゃっていたが、仮設住宅は戸数も足りず入居抽選になる為、全員がそこに入れる保証は何もないことは彼女たちが一番よくわかっている。

危機において、政治にいったい何が出来るのだろうか。
by mutsumi_teranishi | 2011-05-08 11:11
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