鳩山、菅と続く民主党政権。
彼らが政権交代のために“お手本”にしたのはイギリスだった。
しかし、そのイギリスは教育と移民の大きな問題を抱えてあえいでいる事実は日本には伝わってきていない。先日、ロンドンでの研究から帰国したばかりの涌田准教授(名大院)から伺った話に耳を疑った。
イギリスの中学生の識字率はなんと30%(イギリス文科相発表)しかないと言うのだ。更に東欧諸国からの移民が急増しており、職に就けないイギリス人失業者が増え、また一方で‘移民の子’たちは学校に通えず、社会全体に歪な空気が漂っていると言う。
たぶん、民主党の若手エリート国会議員たちは、イギリス労働党のトニー・ブレア政権に自分たちの姿をダブらせて、ある種の憧れを抱き、昨夏の政権交代のお手本にしようとしたのだろうが、時代は想像以上に急激に変化している事には目を向けていなかったようだ。と言うよりも、とにかく民主党はこの機会に政権さえ手に入れれば政策なんて何でも良かったと言うところが真実だろう。国会議員がいい加減だとこういうことになる。出来もしない大臣ポストや官邸ポストを思う存分たらい回して、はいサヨナラ、あとはよろしくだ。しかし、その国会議員たちを選んだのは、有権者。
イギリスの今は、日本の明日か?
(写真右から二人目が涌田准教授)