今から7年前、電通勤務時代のこと。
New Yorkへ出張した際、偶然、ひとりの日本人と昼食をご一緒する機会があった。その人こそ、世界最大の卵メーカー「
エッグ・キング」とNew York Times紙の一面トップ記事に取り上げられ、「
たまごでピカソを買った男(日本経済新聞社出版)」(ちなみに僕はこの本のことを“
たまピカ”と呼んでいる)と、本にまでなっている立志伝中の人、イセ食品グループ総帥、伊勢彦信会長である。
日本ではあまり知られていないこの“巨人”、芸術文化でも、世界が絶賛する数少ない日本人のひとり。数年前にフランス政府から文化芸術に多大な貢献をした方にのみ送られるシュバリエ文化勲章を受けている。
その伊勢会長率いるグループの創立100周年を祝う宴に御招きを受け上京した。企業寿命30年と言われる昨今、100年も成長し続ける企業を一代でつくり上げた、まさに成功の歴史100年。
ちなみに世界で一番多くのピカソの絵画を持っている個人コレクターはこの伊勢会長に他ならない。世界中の名だたる美術館の館長が、直々に富山県高岡市の伊勢会長の御自宅まで絵画を借りに来るのだから、スゴイ。(写真上:鳩山幸元首相夫人もイセ文化基金の立役者の一人)
いったい何個卵を売ったら、ピカソの絵が買えるのだろうか?